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路面モジュール規格とT-TRAKモジュール規格は同じもの?
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目次/リンク
このページは、主に「T-TRAKモジュール規格と路面モジュール規格の関係」を記載しています。 T-TRAKモジュール規格は[T-TRAK標準規格]と [T-TRAK規格へのよくある質問]のページを参照願います。 |
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「路面モジュール規格とT-TRAKモジュール規格は同じものですか?」よく聞かれるご質問です。 答えはYesでありNoなので話はややこしいです。 T-TRAKモジュール「レイアウト」と路面モジュール「レイアウト」は別のもの。 ただし、両規格の直線モジュールは、互換性があり、混在運用可能。 「レイアウト」ではなく「モジュール規格」の話になると、 全く別のものとは言いがたく、T-TRAKモジュール規格の中に両者は含まれる、 といったところです。解ったような解らないような話で大変申し訳ありません。もう少々、話にお付き合い願います。 概念図を示します。 路面モジュールの規格(複線)概要です。 ・KATOユニトラック使用 ・直線モジュール長(公称)310mm、線路長310mm ・複線間隔25mm ・線路位置は手前側線路の中心がモジュール前端から50mm ・モジュール高さ 60または100mm(ボード面)。±5mm以上の調節ができること。100mm常用。 ・電気配線青・白・白・青 一方、T-TRAK standard (track spacing 25mm)の概要です。 ・KATOユニトラック使用 ・直線モジュール長308mm、線路長310mm ・複線間隔25mm ・線路位置は手前側線路端がモジュール前端から38mm(線路中心 50.5mm) ・モジュール高さ 70-100mm(ボード面)。 ・電気配線青・白・白・青 ほとんど同じです。T-TRAKの後ろに「standard (track spacing 25mm)」とついているのがポイントです。 実は、T-TRAK規格には、「standard (track spacing 25mm)」と「alternate (track spacing 33mm)」の二種類が存在します。 日本語に訳しますと、「標準 (複線間隔25mm)」と「オルタネート:代用 (複線間隔33mm)」 です。 二種類あるとご説明する根拠は、T-TRAKの規格ページ「T-TRAK Standards」(その日本語訳) に明記されているからで、どちらも世界標準です(ここ重要)。 また、以前(2011-2014)のttrak.orgのwebページにもBasicとAlternateという形で、掲載されており、今も昔も、 どちらも世界標準としていたことが読み取れます。 以前のWebページ ※このページのT-TRAK規格は現在とは異なります。 また、「standard (track spacing 25mm)」と「alternate (track spacing 33mm)」の名称は、 [T-TRAK History]と T-TRAK Wiki club pageの記述が根拠です。 ただ、二種類あると言ってもアメリカ型車両等の大きな車両を走らせたいとなると、 前述のT-TRAKの規格ページやT-TRAKの歴史「T-TRAK History](その日本語訳)に ありますように、曲線でのすれ違いができないので、現在のアメリカを中心とした英語圏では複線間隔33mmが一般的です。 複線間隔33mmが一般的なので、2016年現在、「alternate (track spacing 33mm)」を省略するのが慣例になっているようで、 単にT-TRAKと言うと、T-TRAK alternate (track spacing 33mm)を指します。 要するに広義のT-TRAKには、「standard (track spacing 25mm)」と「alternate (track spacing 33mm)」の二つがあり、 路面モジュールとstandard (track spacing 25mm)同じものと言って良いですが、アメリカ慣例のT-TRAKという 言い方をすると複線間隔33mmを指すので、路面モジュールとはちょっと違うもの、という話になるわけです。 実際問題として、日本には、線路長310mmで複線間隔25mmと複線間隔33mmの2種類のモジュールが存在し、どちらも現在進行形で楽しんでいる方が多数おられます。 両者を区別する必要がある場合、 ・複線間隔25mmをT-TRAK 標準 25mm。 ・複線間隔33mmをT-TRAK オルタネート 33mm。 とすれば、話は早いです。 しかし、日本では、路面モジュールの名称が浸透していますし、単なるT-TRAKという名前も広まりつつあります。 2016年現在の日本では、 ・複線間隔25mmを、路面モジュール規格 ・複線間隔33mmをT-TRAK規格又はオルタネート規格 と呼んでいる、というのが私の理解です。 ttrak.orgに働きかけて、T-TRAK standard (track spacing 25mm)とT-TRAK alternate (track spacing 33mm)の表記を積極的に使ってもらいつつ、 日本でも単なる「T-TRAK」や「路面モジュール」という言い方を止めればよいのかもしれませんが、 名前は重要ですし、今までの呼び方も簡単には変わらないので、 さてどうなるのでしょうか。 [追記]
2017/04/08 ホビーセンターKATOで開催された「T-Trak Labo Vol.1」で「T-TRAK standard (track spacing 25mm)」は「T-TRAK 25」、 「T-TRAK alternate (track spacing 33mm)」は「T-TRAK 33」と呼ぶのがよいではないか?という話になりました。
話がさらにややこしくなるのですが、ttrak.orgによれば、 「T-TRAK」とは単なるモジュールの規格ではなく、鉄道模型を広く普及させる為の考え方を含む概念である という立場をとっています。 一方で、日本の「路面モジュール」は、モジュール規格としてはT-TRAK規格に先行したものの、 「主に路面電車を中心とした小型車を気軽に走らせることができる規格」であり、 概念という観点からは、「T-TRAK」と「路面モジュール」は違うものという考え方を ttrak.orgはとっています。 日本の発明と言いたくないので、概念という言い方をしてアメリカの発明と言っている感もしなくはないですが、 そんなこと言うと、全てのモジュールレイアウトはアメリカの Ben Davis氏がプロトタイプを作成し、 Jim FitzGerald(ジム・フィッツジェラルド)氏が普及に努めた N-TRAKが発端ですので、結局のところ、アメリカの発明ということになるでしょう。 話が逸れました。 実際問題の話をします。 直線モジュールについては、複線間隔以外の差が無いので、変換をかけてしまえば、 路面モジュールとT-TRAK 33mmモジュールは連結可能です。 路面モジュールには建築限界が定義されていますが、 T-TRAKの規格ページ「T-TRAK Standards」には記述がありません。 記述が無いので、モジュール式レイアウト:N-TRAKの規格が出ている NMRAの建築限界を見てみました。 NMRAのNゲージの建築限界は、 NMRA Standared Clearances S-7 (の N Scale)です。 ※時代が変わるにつれて実物の建築限界(AAR : Association of American Railroads) が大きくなったので、 NMRAは走行する車両の時代設定に合わせて、建築限界を定めています。モジュールの製作時期ではありません。 Old Time : 古典、Classic : 旧型、Modern : 現代 の3つがあります。 NMRAの建築限界のA、B、...の意味は http://cid.railfan.net/gauge.html に解説が出ています(英語サイト)。 以下は、NMRA Standared Clearances S-7の3つと、路面モジュール、KATOユニジョイナーはずしを比べた図です。 T-TRAK 33mmでは、余裕がありますので、上記の建築限界はどれでも利用できます (※厳密には、複線間隔が33mmなので、Modern Dimensionsの幅 A 17mmはクリアできません。Aは16.5mmしかとれません)。 一方、路面モジュールの建築限界は、幅が狭く、NMRA Standared Clearances S-7 N Scale Old Time Dimensions (古典用)はクリアしますが、それ以上は無理です。高さは香港トラムまで考慮していたので、Modern DimensionsやKATOユニジョイナーはずしの44mmと同一です。 路面モジュールは、小型車に特化した規格である、ということがご理解いただければと思います。 また、曲線モジュールについては、路面モジュールが310mm x 310mmの正方形。 T-TRAK 33mmが365mm x 365mmの正方形。 コーナー半径は、路面モジュールがR120mm(※R140mm以上推奨)、 T-TRAK 33mmがR282とR315です。 路面モジュールのR120mmは、MODEMOの連接車が通過できない等、路面電車用としても苦しいので、 R140mm以上が一般的、ユニトラム市販品を使うとR180(内外同一)、ユニトラックを組み合わせると、 R216です。いずれにせよ、路面モジュールの曲線モジュールでスケール全長20mを超える車両の通過は困難です。 T-TRAK 33mmについては、新幹線・特殊車両を除く、JR/私鉄の在来線車両は、問題なし。 新幹線については、なんとか走行しますが、大柄のE1系/E4系のすれ違いはギリギリなので やめておいた方が無難といったところです (実験してみましたが、停止状態で隙間が2.5mmくらいしかありません)。 外国形については、ほとんど大丈夫そうですが、中には新幹線車両よりも大きな車運車もあるので、 なんでもかんでもOKではありません。 T-TRAK 33mm互換ながら、 新幹線を考慮し一回り大きな曲線モジュールを運用しているクラブ も日本にあります(アメリカにも大型車両の通過を考慮して一回り大きな曲線モジュールを試用しているクラブがあります)。 詳しくは、別の機会にいたします。 要するに、両方の規格の直線モジュールについては、互換性があり、建築限界が異なるものの混在運用可能ですが、 曲線モジュールは、運用上の互換性に乏しく、別物と考えた方がよい、ということです。 |